「代表社員の記載ミス」で古物商が不許可!? 合同会社の注意ポイントとは?

「代表社員の記載ミス」で古物商が不許可!? 合同会社の注意ポイントとは?

目次

まさかの不許可…代表社員の記載ミスが招いた落とし穴

中古ビジネスを始める時、多くの方が最初に気にするのは「何を仕入れるか」「いくら儲かるか」だったりします。メルカリやメルカリshopsで商品が売れているのを見ると、自分もできるかもと思う人は本当に多いです。

そして次に直面するのが、「古物商許可って必要なのか」という疑問です。調べてみると、どうやら必要らしい。じゃあ申請しようと手続きを始めたら、そこで予想外の壁にぶつかります。

驚くかもしれませんが、古物商許可は書類のわずかな記載ミスだけで不許可になることが昔より増えてきています。特に合同会社で申請した場合、代表社員の記載方法の間違いが原因で、申請そのものがやり直しになるケースがとても多いです。

これは、許可の審査が厳しくなったというより、事業者側が制度をよく理解しないまま申請していることで起きやすくなっている問題です。

この話を聞いて「そんなことで不許可になるの」と感じたかもしれません。でも実際に起きています。
市川や船橋、松戸などから相談を受けていると、最近は副業で中古家電や中古車、小物リユースを始めたいという方が増え、申請件数が多い分、ミスも見えてきました。

特に法人形態を合同会社にしている場合、株式会社より書き方がシンプルに見えるのに、落とし穴が多いのです。

よくある流れはこうです

ネットで調べる
→古物商許可の必要性を知る
→書類を書いて提出
→警察署から確認の電話
→対応できず不許可
→最初からやり直し

不許可と聞くと何か重大な欠格があるように感じますが、そうではありません。

実は、書類上の責任者が特定できないと判断されたり、登記情報と一致していなかったりする、それだけで不許可になることがあります。

もちろん意図的に書き換えたわけではなく、単純に表記ミスだったというケースが多いです。

合同会社は表記が分かりにくい

合同会社は代表を「代表社員」と呼びます。個人事業と違って、組織として責任者を特定する必要がありますが、この部分が曖昧になりやすいです。

例えば、

  • 登記では「山太郎」
    →申請書では「山 太郎」と書いてしまった
  • 住所の表記が違う
  • 略称を使ってしまった

こうした小さな不一致が古物商の審査では大きな問題になります。

許可制度の考え方として、古物の取引はトラブルや犯罪抑止のため、責任者をはっきりさせておく必要があります。中古品は新しくないため、出どころを追いにくく、盗品の転売や悪用のリスクがあるからです。そのため、許可審査では「誰が代表で責任を持つのか」を最優先で確認します。

ここで記載の揺れがあると、警察署の担当者は判断できず、結果として不許可となるわけです。
もちろん、担当者も仕事で審査をしていますから、「この名前、本当に同一人物なのだろうか」と疑問を持つのは当然です。

メルカリで売るだけでも許可が必要

よくある誤解として、「メルカリで売るだけなら古物商許可はいらないのでは」という考え方があります。これは、家にあるものを売る場合は不要ですが、仕入れて売る場合は商売になるため、古物商許可が必要になります。

さらに、最近はメルカリshopsで販売する場合、事業者として登録が必要です。つまり、メルカリshopsで継続的に売るなら、「許可」と「ショップ登録」がセットになるという理解が必要です。

この点を知らずに、通常のメルカリだけを想定して申請してしまい、後で「ショップにするなら内容を変更しないといけない」と言われる人もいます。

不許可になると何が困るのか

一番大きな問題は、時間が失われることです。
中古ビジネスは仕入れや季節性に影響されることもあり、販売時期がずれると売れ方が変わります。中古家電や中古車では特に顕著です。時間をかけた準備が無駄になるのは避けたいところです。

また、一度不許可になったという履歴は残りませんが、担当者の印象には残ります。次は慎重に見られる可能性があります。こうした小さな失敗を積み重ねてしまうと、モチベーションが落ちてしまいます。

この章では「代表社員の記載ミス」と聞くと小さな話に感じる部分を、実際にはどれほど影響があるのか、イメージできるようにしました。

次の章では、なぜ合同会社の申請でこうしたミスが起きやすいのか、制度の背景をもう少しわかりやすく解説していきます。

「なんとなく不安」ではなく、「どこを気をつければいいか」を具体的に見ていきましょう。

合同会社だからこそ不許可が生まれやすい理由

前の章では「代表社員の記載ミスで不許可」という事例を紹介しました。では、なぜ合同会社ではこのトラブルが多いのでしょうか。

同じ法人なのに、株式会社ではあまり聞かないのに合同会社ではよく起きる。これは制度の構造が関係しています。

まず押さえておきたいのは、古物商許可の審査は事業の内容より「人」から始まるということです。中古品の取引は安全面が重視されるため、「誰が責任者か」が明確である必要があります。

この点で、合同会社は株式会社より書き方が揺らぎやすく、結果として小さな不備が大きな問題になります。

株式会社と合同会社の違いから見える落とし穴

会社登記の仕組みは共通していますが、申請時に使う表現が少し違います。
株式会社は代表を「代表取締役」と明記しますが、合同会社は「代表社員」です。読み替えれば同じように感じても、法律上は別の役割です。

しかも、合同会社の定款には「業務執行社員」や「代表社員」といった言葉が出てきます。インターネットの記事では説明が簡略されていることが多く、申請する側が混乱してしまうのです。

例を挙げると、次のような状態が起きやすくなります。
会社登記では「代表社員 山田太郎」となっているのに、申請書では「業務執行社員 山田太郎」と書いてしまう。

用語が似ているために誤解が生まれます。実際には、古物商許可では「代表社員」が責任者として扱われます。ここにずれがあると、審査側は判断できません。

定款・登記・申請書の表現が一致していることが重要

合同会社で不許可になりやすい理由は、書類が揃っていないからではなく、書類同士の表現が一致していないことが多いためです。

審査担当者は、登記情報、定款、住民票の束を見比べて、責任者を特定します。そのため、表記の揺れはできる限り避けなければなりません。

ここで「そんな細かいことまで」と思う方もいるでしょう。
しかし、古物営業法は盗品の流通防止という目的があるため、責任者が確定しない状態では許可の判断ができないのです。

名前や住所が違う、肩書きが違うとなると、担当者の側から見ると「本当にこの人で良いのか」となるわけです。

法人の場合は責任者の特定が難しくなることがあり、さらに合同会社は運営方法が柔軟です。株式会社のように役員構成が定型化されていないため、「どの肩書きを申請書に書くべきか」を間違えやすくなります。

定款の目的が古物に対応していないケースも多い

ここからは、少し制度の背景に触れます。
古物商許可は、そもそも「古物営業をするための許可」です。つまり、会社の事業目的に古物営業が含まれていない場合、審査の時点で疑問を持たれます。

例えば、目的欄に「物品販売」とだけ書かれている合同会社が、中古家電を扱う申請をしている場合です。警察署側としては、形式上「中古品の取扱は本当に事業目的に含まれるのか」と考えます。
これは、目的欄の書き方で防げる話ですが、意外と見落とされます。

中古車や中古家電、中古ブランド品など、カテゴリによって審査の観点が変わることもあります。市川や船橋、松戸で相談を受けていると、メルカリで売るだけのつもりが、実際には「中古車も扱いたい」と考えている方もいて、目的欄の再設計が必要になるケースもよくあります。

副業で始める方ほど法人化と申請が同時に進む

さらに、最近は副業から法人化するケースが増えています。
最初はメルカリで不用品を売っていたけれど、仕入れを始めて、本格的な事業にしたい。そこで合同会社を設立し、古物商許可を取ろうとする流れです。

この場合、登録したばかりの会社情報と、古物商許可申請書を短期間で作成することになるため、表記の揺れが生まれやすくなります。
特に法人設立を支援してくれた人と、古物商申請を手伝う人が別の場合、表記ルールが統一されないことも珍しくありません。

この点は、株式会社に比べて情報が少ないことが影響しています。合同会社は手軽で柔軟な形態として人気がありますが、手続き面では確認ポイントが増えるという認識が必要です。

メルカリshopsで事業として扱うなら登録と許可がセット

もう一つ押さえておきたい話があります。
メルカリで時々売る程度なら古物商許可は不要ですが、事業として扱うなら「メルカリshopsの登録」が必要になります。

この登録は、一般ユーザー向けの売買とは違い、事業者であることを前提としています。つまり、法人化と古物商許可の準備が同時に進むことになります。

登録を進めていくと、店舗名や所在地、責任者の情報などを求められます。これは古物商許可と同じように「責任者は誰か」を示すプロセスであり、ここでも合同会社の表記が影響します。
メルカリshopsと古物商許可の情報を一致させておくことが理想です。

この章でお伝えしたかったのは、合同会社だから不許可になるというより、合同会社は柔軟であるため、書き方に迷いやすく結果としてミスが多いということです。

次の章では、実際に起きた不許可の例から、どんなミスがトラブルに繋がるのかを整理していきます。中には、読み返せば気づけるものもたくさんあります。

安全に早く許可を取るために、どこをチェックすべきか一緒に見ていきましょう。

不許可事例から学ぶ3つの危険ライン

ここからは、実際に起きた不許可や差戻しの相談をもとに、「どこでつまずきやすいのか」を整理していきます。

書類の不備といっても、「全部間違っていた」というような大きな問題ではありません。むしろ、小さな違いが重なって「責任者を特定できない」と判断されてしまうことが多いです。

つまり、本人としては「ちゃんと書いている」と思っていても、審査側から見ると「統一されていない」と見えるわけです。

この章では、特に合同会社で見られやすい危険ラインを3つに分け、整理して紹介します。
「どこを見れば良いのか」が分かると、申請前のチェックが楽になり、結果として不許可を防ぐことができます。

危険ライン1

代表社員の氏名や住所が一致していない

一番多いのが、代表社員の記載が資料ごとに違っているケースです。
これは、本人が間違っているというより、書類ごとに使う情報源が違うために起きてしまいます。

例えば、次のような状態です。

  • 商業登記は「山﨑 太郎」
  • 住民票も「山﨑 太郎」
  • 申請書は「 太郎」
  • 誓約書だけ略称で記載
  • 住所表記で「丁目」「番地」が揺れている

本人としては、同じ人物ですし、法的にも同一人物です。
ただ、審査という観点では、登記・住民票・申請書の表現が完全に一致していることが大事です。

住所表記の揺れもよくあります。
業務では略しがちなところが、申請書では厳密に書かなければならず、例えば「〇〇町一丁目1番1号」と「〇〇町1-1-1」では別の表記です。

これが複数の書類で異なると、「どれが正しいのか」を確認するために時間がかかり、場合によっては差戻しの対象になります。

「このくらい良いのでは」と思う気持ちは分かりますが、古物商許可の審査は「責任者の特定」が根っこにあるため、細かい一致が必要になります。

危険ライン2

事業目的と古物の範囲が合っていない

2つ目の危険ラインは、会社の目的欄が古物に対応していないことです。
特に合同会社は設立が簡単で、目的欄が短く、抽象的な表現になりやすい傾向があります。

例えば、目的欄に「物品販売事業」とだけ書かれている合同会社が、申請書では「中古家電の販売」と書いている場合です。

担当者の目線では「新品なのか中古なのか」が判断できず、「本当に中古品を扱う事業なのか」と考えます。

特に、中古車や中古ブランド品は専門性や安全性の観点で確認が強くなるため、目的欄に書いていないと不整合が目立ってしまいます。

メルカリやリユースの世界では、「プラットフォーム上の販売だから目的に書かなくても良い」と誤解されやすいのですが、古物商許可はあくまで「古物営業」です。

実際に中古品を継続して売る場合は、目的欄に古物営業を含む表現を入れておくとスムーズです。

中古車、中古家電、ブランド品、ゲーム、骨董、工具類など、扱うジャンルによって許可の種類や範囲が変わることがあります。

市川や船橋、松戸で相談を受けていると、「最初は小物メインだと思っていたけれど、後から車を扱いたくなった」という方もいます。

事業展開の可能性がある場合は、先に目的欄を整えておく方が安心です。

危険ライン3

営業方法の書き方が曖昧

三つ目は、営業方法の書き方が曖昧というケースです。
古物商の許可には「営業方法」の欄があり、「どうやって古物を扱うのか」を説明します。ここで多いのが「ネットのみ」と書いてしまう相談です。

ネット販売は一般的になっていますが、古物商許可ではどのプラットフォームで、どのように取引するかが重要になります。

例えば、「メルカリで不用品を売る」ではなく、「メルカリshopsで古物を仕入れて販売する」となると、審査で見るポイントが変わります。

営業方法に書くべき内容は、ざっくりと以下のような項目です。

  • 販売場所(ネットならサイト名)
  • 管理場所(倉庫や保管スペース)
  • 販売方法の流れ
  • 顧客との取引方法

多いのが「ネット販売(メルカリ)」とだけ書くケースです。
これでは「メルカリのどの形態か」「責任者はどこで管理するのか」が分からず、内容が不足していると判断されてしまいます。

さらに、「倉庫営業」と書いた場合も注意が必要です。
倉庫が登録されていなければ、そこが実態の営業所かどうか判断できません。住所の扱いが軽く見えると、審査が難しくなります。

副業の場合は、自宅の一室やレンタルスペースで管理することも多く、その場合法的に問題がないか、本人が正しく説明できるかが大事です。
「なんとなく倉庫」と書いてしまうより、実態に合わせて明確に書くことが必要です。

不許可の多くは「書き方」を変えれば防げる

ここまでを見ると、少し身構えてしまうかもしれませんが、安心してください。
不許可や差戻しは、ほとんどが文言の整理で防げるものばかりです。
欠格事由に該当しない限り、書き方さえ整えば許可は取れます。

ただし、法人の場合は整理する書類が増えます。
登記、定款、申請書、誓約書、住民票、営業方法、目的欄。
そのため、どこか一箇所でも表記が揺れると、判断に時間がかかり、不許可になる可能性が高くなります。

個人申請であれば通りやすい場面も、法人だと慎重に見られることがあります。
副業で始める方は特に、法人化の流れと申請が同時に進むため、慌ただしい時期に書類づくりをしてしまい、結果として不整合が残ることがよくあります。

次の章では、これらの危険ラインを踏まえ、「通る申請」に仕上げるための3つの行動を紹介します。
具体的なチェックポイントや、実際の現場感に近いアドバイスをまとめますので、申請を考えている方は参考にしてみてください。

「準備の段階で防げるミス」を減らせば、許可はずっと取りやすくなります。

通る申請に変える3つの行動

ここまで不許可になりやすいポイントを紹介してきましたが、「じゃあ具体的に何をすれば良いのか」が気になるところだと思います。

難しい専門処理ではなく、3つの行動を習慣にするだけで不許可の可能性は大きく下がります
特に合同会社は、登記直後に申請する方が多いため、準備の順番だけで結果が変わります。

この章では、申請直前に慌てずに済むよう、必要な行動を3つに絞って紹介します。
どれも今日からできる内容なので、チェックしながら進めてみてください。

行動その1.登記情報と書類を全て突き合わせる

最初に取り掛かるべきことは、登記情報を基準に全書類の表記を揃えることです。
古物商許可は、「登記情報が正しい」という前提で審査します。そのため、他の書類が登記と違っていれば、登記側が正しいと判断されます。
つまり、登記と違う表現を使ってしまうと、それだけで不一致が生まれます。

おすすめは次の順番で確認する方法です。

STEP1.登記事項証明書をコピーする

まず、法務局で取得できる登記事項証明書をコピーし、手元に置きます。
電子データでも問題ありませんが、書面の方が目視確認が楽です。
これが「答え」になるため、ここに表記が揃うように調整します。

スマートフォンで登記情報を見ながら書いてしまうと、略記したりルールが変わることが多いため、時間がある時にきちんと印刷しておきましょう。

STEP2.定款と申請書をチェックする

次に、定款と申請書を比較します。
定款には「代表社員」「業務執行社員」が載っていますが、古物商の申請書に書くのは「代表社員」です。
肩書きが一致しているか、名字や名前の表記が一致しているか、住所の書き方が同じかをチェックします。

中でも注意したいのは住所です。
マンション名の有無、全角と半角、丁目や番地の書き方など、細かい揺れが発生しやすい点です。

STEP3.誓約書はコピペが最も安全

誓約書の記載は、登記と同じ表記にするのが一番安全です。
書類ごとに書き方を変えるより、登記情報をそのままコピペする方が確実です。
誓約書だけ違う書き方をしてしまうことが多く、担当者からすると「本当に同一人物なのか」という疑問が出てきます。

文章の作り方に悩むより、答えを写す。これが最も確実で速い方法です。


行動その2.事業目的を明確化する

二つ目の行動は、事業目的を整理することです。
古物商許可の審査では、「この会社は古物営業を事業として行う」と説明できることが必要になります。
その説明に一番効果があるのが「会社の目的欄」です。

目的欄に古物営業を含める

目的欄に古物営業やリユース関連の文言が入っていない場合、後から疑問を持たれることがあります。
例えば、「物品販売」だけでは「新品なのか中古なのか」を判断できません。
中古家電や中古車を扱うなら、次のような表現が分かりやすくなります。

「古物営業法に基づく古物営業」
「中古品の仕入と販売」
「リユース品の取引及びオンライン販売」
「中古車及び自動車部品の販売」

目的欄は少し長くても問題ありません。
むしろ、扱いたい品目が分かる方が審査はしやすくなります。

メルカリshopsを想定して書く

事業として古物を扱うなら、メルカリshopsの登録を前提に書くことも検討した方が良いです。
shops登録は、一般のメルカリとは違って事業者として扱われ、店舗の管理や責任者の情報も求められます。
つまり、メルカリshopsを中心にした販売は、古物商許可との親和性が高いです。

メルカリshopsと古物商許可で情報が一致していると、審査側にとっても分かりやすくなります。

行動その3.相談できる相手を決めておく

最後の行動は、相談できる人や窓口を決めておくことです。
古物商許可は、「一人でできる手続き」と紹介されることが多いのですが、法人の場合は確認する書類が増えるため、専門的な相談が役立つ場面が多くなります。

警察署に相談する

古物商許可の窓口は警察署です。
申請前に電話で聞くと、注意点や提出物の確認を教えてくれます。
ただし、担当者ごとに説明の幅が異なるため、必要最低限の確認に留めておくと良いです。

登記に関する相談は別窓口になる

事業目的の変更や定款の確認は、法務局で対応します。
古物商許可の窓口とは別になるため、順番としては「目的を整える」→「登記」→「申請」が理想です。
順序を間違えると、片方がやり直しになることがあります。

行政書士は「伴走役」

行政書士の役割は、手続きを代行するだけではありません。
内容の整合を取り、審査側が判断しやすくする調整をしながら、申請がスムーズに進むようにします。
「任せる」というより、「伴走してもらう」という方が近いイメージです。

市川や船橋、松戸など地域によって、審査の流れや求められるニュアンスが少しだけ違うことがあります。
地域の相談経験がある人に話を聞くと、申請準備がスムーズになります。

必要なのは「小さな準備」の積み重ね

ここで紹介した三つの行動は、どれも難しい専門知識を必要としません。
でも、この三つが揃っていると、合同会社の申請は驚くほど通りやすくなります。
特に、登記情報を軸に表記を揃えるだけで、申請書類の質が一段階上がります。

逆に言うと、この三つが欠けていると、審査担当者は一つ一つ確認しなければならず、時間がかかり、差戻しや不許可につながる可能性があります。

中古ビジネスを安心して続けるために

ここまでの内容を読んでいただくと、「古物商許可って、ちゃんと準備すれば取れるけど、適当にやると躓く」というイメージが掴めてきたと思います。

副業でメルカリを始める方にも共通するのは、「仕入れて売るなら古物商許可が必要」という理解です。販売方法が身近になったことで、制度の方が意識されづらくなっているとも言えます。

この章では、改めて古物商許可の意味と、中古ビジネスを続けていく上での考え方を整理します。大げさな資格制度ではなく、安心して取引するための信頼の仕組みとして捉えてもらえればと思います。

古物商許可は信用の証明

古物商許可は、「古物営業法」という法律に基づく制度です。
目的は、次の三つに集約されます。

  • 盗品の流通を防ぐ
  • 不正取引を抑止する
  • 中古市場の安全性を高める

中古品は新品と違い、流通経路が複雑になりやすく、持ち主が変わっているため、商品にまつわる情報が欠けていることがあります。

そのため、古物商には「誰から買った」「誰に売った」を明確に管理することが求められます。これが「帳簿管理」や「本人確認」の根拠になります。

つまり、古物商許可はビジネスに制限をかけるためではなく、「安全な中古市場の運営に参加する証明」です。

中古品の取引が増えるほど、こうした仕組みの重要性が高まります。

メルカリやその他のECサービスが普及した現在、誰でも中古市場の一端を担えるようになりました。だからこそ、制度面の配慮が必要になります。

事業として扱うならメルカリshops登録が必要

副業として中古品を売る人が増え、最近よくある質問が、「メルカリで売るなら許可は必要か」というものです。

ここには一つポイントがあります。

  • 家の不用品を売る
    → 許可不要
  • 古物を仕入れて売る
    → 許可が必要

同じメルカリでも、目的が違います。
「家の中の物を片付けたい」という扱いなら取引より譲渡に近いですが、仕入れて販売する場合は、明確に古物営業となります。

さらに言うと、事業として販売する場合は「メルカリshopsの登録」が必要になります。
shopsは事業者向けの仕組みで、店舗の管理、売上処理、顧客対応などが前提に設計されています。
ここでは、責任者となる人の情報や販売方法を登録し、販売先も一般メルカリとは扱いが変わります。

つまり、「古物商許可」と「メルカリshops登録」は、事業として中古を扱う時にはセットで考える必要があると言えます。

最初は通常のメルカリから始めた方でも、継続販売する段階でshopsの仕組みに移行する人は多く、その時に許可内容が活きます。

サステナブルな流れがビジネスを後押しする

中古市場が拡大している背景には、環境に対する意識や円安効果があります。
新品を買うより、中古をうまく活用した方がコスト的にも合理的で、環境負荷も少ないという見方が広まっています。

特に中古家電や中古車、小型家電などは、需要が一定の幅で存在します。

中古品をビジネスとして扱うことは、「無駄を減らす取り組み」という側面も持ちます。
単に儲けるための取引ではなく、リユース市場の価値を高める活動でもあります。

市川や船橋、松戸でもリユース店舗や倉庫型の販売が増え、個人でもECビジネスとして取り組む人が増えています。

ネットを介せば地域を超えて取引できるため、都市部の人だけが参入できるものでもありません。

まずは小さく始めるという考え方で十分

中古ビジネスを始める時、最初から大きく展開する必要はありません。
むしろ、最初は小さく始め、経験しながら進める方が安心です。
許可が必要な理由や、扱う商品の特徴を理解しながら進めると、後から「知らなかった」という驚きが減ります。

古物商許可を取得する時に大切なのは、「審査を通したい」ではなく、「長く続けたい」という視点です。
許可を取って終わりではなく、許可を取った後の帳簿管理や保管方法、顧客対応などがビジネスの軸になります。

時間を失うことが一番のリスク

不許可になることで生じる最大の損失は、実は費用よりも時間です。
仕入れが間に合わなくなり、季節商品が売れないこともあります。中古家電なら引っ越しシーズン、中古車なら季節によって需要が変わります。

小さなミスでも、申請が数週間ずれることはよくあります。
その間、市場は動きます。ビジネスの回転を止めないためにも、準備をしっかり整えておくことが大切です。

今できるアクション

最後に、今日からできる行動を整理します。

  • 登記情報を取得する
  • 定款と申請書を見比べる
  • 目的欄を確認する
  • メルカリshops登録の有無を整理する
  • 扱いたい品目を考える
  • 相談できる窓口を決める

どれも特別な知識ではありませんが、確実な準備になります。

古物商許可は、今後ますます価値が高まると考えています。
中古市場の拡大、サステナブルな流れ、ECの普及など、環境がビジネスを後押ししてくれています。
「買って、売る」の裏側には、制度と信用が支えているのだと知っておくと、ビジネスの視点に深みが出ます。

安心して中古ビジネスを続けるために、許可を取ることは目的ではなく土台です。
準備を重ねて、長く続けられる仕組みを作ってみてください。

必要に応じて、行政書士や専門家は手続きをサポートする立場として、申請の伴走や整合のアドバイスを行っています。
一人で悩むより、聞ける人に相談した方が早く進むこともあります。あなたの取り組みが、良い形で動き出すことを応援しています。