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市川で古物商許可を取る人が増えている背景
「メルカリで不用品を売ったら意外と高く売れた」「中古の家電を仕入れて転売したら利益が出た」――そんな経験をきっかけに、副業や小規模ビジネスを始める人が市川でも増えています。特にここ数年は、円安や物価高の影響で中古品の需要が高まっていることもあり、リユース市場はぐっと広がりを見せています。
さらに、環境意識の高まりから「サステナブルな暮らしを意識したい」という声も多く聞かれるようになりました。新品ではなく中古を選ぶことが、エコや節約にもつながるという考え方が広まっているのです。
市川市は東京都心へのアクセスも良く、人口が多い地域。引っ越しや買い替えで出る中古家電や家具が豊富で、リユースの需要と供給が集まりやすい土壌があります。こうした背景から、「古物商許可を取ってメルカリやネット販売を本格的にやりたい」という相談も少しずつ増えてきました。
ただしここで注意したいのは、「たくさん売るなら古物商許可が必要」という点です。単なる不用品処分と、継続的な販売ビジネスとの線引きは法律で定められています。「知らなかった」では済まされず、許可なく続けてしまうと思わぬトラブルや罰則の対象になることもあります。
この記事では、市川で古物商許可を申請する流れや、警察署ごとの手続きの違いをわかりやすく整理していきます。さらに、許可を取ったあとにどんなリユースビジネスが広がっていくのかも解説していきます。
古物商許可が必要になるケースと申請の基本
「自分の家にある不用品を売るだけなら大丈夫だよね?」――そう思っている人は多いですが、継続的に中古品を仕入れて販売する場合は「古物商許可」が必須になります。ここを正しく理解しておくことが、安心してメルカリ副業やリユース事業を始める第一歩です。
古物とは何か?
法律上の「古物」とは、すでに使用されたものや、未使用でも一度人の手に渡ったものを指します。たとえば次のようなものが典型です。
- 中古家電(冷蔵庫、洗濯機、掃除機など)
- ブランドバッグや時計、衣類
- 中古車やバイク、自転車
- ゲーム機、スマホ、パソコン
つまり「一度誰かが所有したもの」はすべて古物にあたると考えてよいでしょう。
許可が必要なケース
- メルカリで仕入れた商品をまた別の場所で転売する
- 中古車を買い取って、販売する
- リサイクルショップやネットショップを運営する
- 中古家電を集めて、再販する
これらは営利目的の継続的な取引とみなされ、必ず古物商許可が必要になります。
許可が不要なケース
一方で、次のような場合は許可は不要です。
- 自宅の不用品をフリマアプリで売るだけ
- 自分や家族が使っていた洋服や家具を処分する
- 贈り物としてもらった品を一度だけ販売する
つまり、「仕入れて売る」か「単なる処分か」で大きく分かれるのです。
知らないと危ないリスク
「不用品を売っているつもりだったけど、実は仕入れと見なされていた」というケースもあり得ます。許可なく古物を販売すると、無許可営業として懲役や罰金の対象になる可能性があります。警察署に申請して古物商許可を取得しておけば、安心して事業を拡大できます。
この章では、まず「どんなときに古物商許可が必要か」を押さえました。次の章では、いよいよ市川市で実際に申請する流れを具体的に見ていきましょう。
市川市での申請手続きの流れ
古物商許可の申請は、市川市では警察署の生活安全課が窓口になります。まずは、自分の住所や営業所所在地がどの警察署の管轄かを確認しましょう。
市川市の警察署管轄
- 市川警察署
市川・国府台、本八幡、菅野、真間、鬼高など、市川市の中心から北部エリアを広く管轄。所在地は市川市鬼高4丁目。 - 行徳警察署
妙典・行徳・南行徳など、市川市の南部エリアを管轄。東京メトロ東西線沿線エリアが対象。所在地は市川市塩浜3丁目。
申請に必要な書類
- 申請書(警察署で入手)
- 住民票
- 身分証明書(本籍地の市区町村役場で取得)
- 略歴書
- 誓約書
- 営業所の賃貸契約書や使用承諾書
- 法人の場合は登記事項証明書や定款の写し
手続きの流れと期間
- 管轄警察署で申請書を受け取り、必要書類を準備
- 書類を揃えて生活安全課に提出
- 警察による審査(欠格要件などの確認)
- 許可証交付(標準処理期間は約40日程度)
よくある質問と注意点
- 自宅で営業できる? → 賃貸の場合は大家さんの承諾が必要
- 副業でも大丈夫? → 勤務先の兼業禁止規定に注意
- ネット販売専業でも必要? → メルカリ・ヤフオクだけでも必須
許可を活かして始めるメルカリ・リユースビジネス
古物商許可を取得したあとは、安心してリユースビジネスを展開できるようになります。ただし、「仕入れ先」と「販売先」の区別を誤るとトラブルにつながります。
許可取得後にできること
- 仕入れ先
- 古物市場(業者専用オークション会場)
- リサイクルショップや同業者との業者間取引
- 解体業者・廃品回収業者などからの仕入れ
- 委託販売契約による預かり品
- 販売先
- メルカリ・ヤフオク・ラクマなどのフリマアプリ
- 自社ECサイト(BASE、Shopify など)
- 店舗販売
メルカリやヤフオクは、販売先として使えますが仕入れ先にはできません。
警察庁は「本人確認が困難な場合は、古物営業法上の仕入れ先として原則認められない」との通達を出しており、警視庁の公式HP等でも注意が呼びかけられています。
これを知らずに仕入れを続けてしまうと、無許可営業や規約違反に問われるリスクがあります。
人気ジャンルと注意点
- 中古家電:引っ越し需要が多い市川では安定したニーズ。動作確認とリサイクル法に注意。
- 中古車・バイク:利益率は高いが、整備や登録の知識が不可欠。
- ブランド品・時計:需要が根強いが、真贋判定スキルが求められる。
サステナブル志向と販売戦略
- 「リユース=地球にやさしい選択」というメッセージ性を前面に出す
- 商品説明文に「エコ」「サステナブル」「循環型社会」を意識した表現を加える
- 単なる中古品販売ではなく「持続可能な暮らしの提案」としてブランディング
成功のための3つの実用ポイント
- 記録を残す
古物台帳に取引内容を記録。警察からの監査でも安心。 - 信用を積む
メルカリやECではレビューが命。梱包や対応の丁寧さが次の売上につながる。 - 広げる
メルカリだけに依存せず、自社サイトや他の販路へ展開することでリスク分散と売上拡大が可能。
古物商許可は市川の新しいチャンスにつながる
古物商許可は、「中古品を安心して扱える資格」と言い換えることができます。これを持っていれば、単なる不用品処分ではなく、仕入れて販売するリユースビジネスを堂々と展開できるのが最大の魅力です。
市川市は人口も多く、引っ越しや買い替えで中古品の動きが活発な地域。古物商許可を活かせば、メルカリやヤフオクを販売先として利用しながら、自分の得意分野(中古家電・中古車・ブランド品など)でビジネスを広げていくことが可能です。
また、環境意識の高まりを背景に「サステナブル」「循環型社会」といった価値観が強まっています。中古品を再び流通させること自体が、今の時代のニーズにぴったり合っています。
もちろん、警察庁が注意を呼びかけているように、仕入れ先と販売先のルールを守ることが前提です。その点さえ押さえれば、古物商許可は副業から本格事業まで幅広く活かせる強い武器になります。
「やってみたい」と思ったら、まずは最寄りの警察署(市川警察署または行徳警察署)に相談し、申請に向けて準備を始めてみましょう。手続きに不安があれば、行政書士に相談するのも安心です。