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「メルカリで売るだけなら許可はいらない」は本当?
最近、「副業でメルカリやってみようかな」っていう人、ほんと増えてますよね。
家の中をちょっと片付けて、不用品をサクッと売るだけでお金になる。しかもスマホ1つで完結する手軽さ。これって、かなり魅力的です。
ただ――
そのまま続けていくうちに、思わぬ落とし穴にはまってしまう人もいるんです。
「古物商許可って聞いたことあるけど、自分には関係ないでしょ?」
「一度使った物なんだから、法律とか関係ないよね?」
実際にそう考えている人、かなり多いです。
でもここで大事なのが、「それ、本当に“関係ない”って言い切れるのか?」ってこと。
たとえば…
- 家電を格安で手に入れて、いい値段でメルカリに出してみた
- フリマで見つけた商品を転売して、お小遣いを稼いでみた
- 家族や友達から預かった物を、代わりに出品してあげた
…このあたり、実は「古物商許可が必要になる可能性が高い」行為なんです。
知らずにやってしまって、「あとから警察から連絡が…」なんてケースも、実際にあります。
もちろん、「家の中の不用品を1回だけ売った」とか、「引越しのタイミングで全部手放した」みたいなケースでは、許可は不要なことが多いです。
でも、「何度も」「利益目的で」「継続して」やっていると、それはもう“営業”とみなされるかもしれません。
このコラムでは、そういったグレーゾーンをスッキリ整理しながら、
- どんなケースで古物商許可が必要?
- トラブルにならないためにどうすれば?
- 副業としてちゃんと成り立たせるには?
といったポイントを、行政書士の視点でわかりやすく解説していきます。
「知らなかった…」では済まされない時代。
安心して、そして堂々とメルカリ副業を続けていくためにも、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
知らずに違法?実際にあった“無許可トラブル”の話
「まさか、自分が警察から連絡をもらうことになるなんて…」
これは、実際に相談を受けた方がぽつりと漏らしたひと言です。
メルカリをはじめとするフリマアプリは、とにかく手軽。
ちょっとした空き時間に出品できるし、売れたらすぐ通知が来る。
でも、その便利さの裏に「法律の壁」があることは、意外と知られていません。
ここでは、実際にあった“ちょっとヒヤッとした”事例をご紹介します。
「え、これもアウトなの?」と感じる方もいるかもしれません。
🧊 事例①中古家電を売ってたら、まさかの警察から連絡…
ある方は、引っ越しのタイミングで冷蔵庫や洗濯機などをメルカリで売りました。
売上もよかったので、今度はフリマやリサイクル店で安く仕入れて、また出品。
いわゆる“プチせどり”です。
ところが数ヶ月後、「古物営業法違反の疑いがあります」と警察から連絡が。
本人は「家電を再利用してもらってるだけなのに」と戸惑っていましたが、“仕入れて利益を出すために何度も売る”行為は営業とみなされるんです。
🔧 事例②趣味で売ってたはずの中古パーツが…?
クルマ好きな方が、使わなくなった車のパーツを出品していたケース。
最初は“ガレージ整理”のつもりだったそうですが、そのうち部品の仕入れまで始めて、どんどん売上が伸びていったんです。
結果、パーツ販売業者から「無許可営業では?」と通報され、調査されることに。
「趣味」の延長でも、繰り返し売って利益を得ていれば“営業”扱いされる場合があります。
👛 事例③「これは新品じゃないからOK」と思ってたけど…
「一度でも使った物なら古物だけど、新品未使用なら大丈夫でしょ?」
…これ、意外とよくある勘違いです。
たとえ未使用でも、「誰かの手に一度渡った段階で“古物”になる」という考え方があるため、「新品みたいに見えるからセーフ」は通じないことも。
⚠️ メルカリでよくある“アウト寄り”なパターン
以下のようなパターン、もし心当たりがあったら注意してください。
- 安く仕入れて売る「せどり」を始めている
- 「副業用アカウント」を分けて運用している
- 中古品を定期的に出品して、月に数万円〜数十万円の収益がある
- 友達や家族から預かった物をまとめて売っている
一見よくある光景ですが、反復・継続・利益目的がそろうと「営業」とみなされ、古物商許可が必要な行為になります。
「そんなつもりじゃなかったのに…」では済まされないケースもあるので、メルカリを副業として活用するなら、最低限の法律知識は持っておきたいところです。
次の章では、そもそも古物商許可って何なの?というところを、初心者の方向けに、やさしく解説していきますね。
そもそも古物商許可とは?必要かどうかを見極める3つの基準
「古物商許可って聞いたことはあるけど、正直どんな許可なのかよくわからない…」
そんな方も多いのではないでしょうか。
一言で言えば、“中古品を売るビジネスをしてもOKですよ”と警察に認めてもらう許可です。
中古品って、盗品が紛れ込むこともあるので、誰がどんな物を売ってるのかを把握するために、ちゃんとルールが決まってるんですね。
じゃあ「古物商許可が必要かどうか」って、どこで判断すればいいのか?
ここでは、知っておきたい3つのチェックポイントを紹介します。
✅ 基準①反復・継続して売っているか?
たとえば、1回だけ不用品を売っただけなら、ほぼ問題なし。
でも、同じような物を何回も出品していると「営業してる」と判断される可能性が高いです。
特に、「毎月いくら稼ぎたい」とか「副収入として安定させたい」と考えているなら、それはもう“継続的な商売”と見なされるかもしれません。
✅ 基準②利益を目的にしているか?
「家にある不用品を片づけたい」だけなら営利目的ではないので、許可は不要。
でも、「安く仕入れて高く売る」となると話は別です。
たとえば…
- フリマやオークションで仕入れて転売
- リサイクルショップで掘り出し物を探して出品
- 友人や知人から格安で譲ってもらい、それを販売
こういった行為は「利益目的での販売」=営業と判断されやすくなります。
✅ 基準③取り扱っている物が“古物”にあたるか?
「古物」っていう言葉、なんとなく“古い物”ってイメージがあるかもしれませんが、法律上はもっと広くて、「一度でも人の手に渡った物」=古物とされます。
つまり、新品でも「誰かが買ったけど使ってなかった」というだけで、古物に該当することもあるんです。
扱うジャンルもさまざまで、
- 中古家電(テレビ、冷蔵庫、ゲーム機など)
- 古着、靴、アクセサリー
- 本、CD、フィギュア
- 中古車やバイクの部品
- ブランド品(バッグ、腕時計など)
これらはすべて古物営業法の対象になります。
💡自分はどっち?「副業の延長」か「商売の入り口」か
なんとなく始めたつもりでも、気づけば「思ったより売れる!」「もっとやりたい!」となってくるのがメルカリ副業のあるあるです。
でもそこで古物商許可を取らずに続けてしまうと、思わぬトラブルになることも…。
この3つの基準に照らして、「自分のやってることってセーフ?アウト?」を一度見直してみると安心です。
次の章では、実際に古物商許可を取るときにどんな準備が必要なのか、副業としてちゃんと成り立たせるにはどうすればいいのかを、わかりやすく紹介していきますね!
メルカリ副業で後悔しないための3つの準備
ここまで読んで「もしかして自分も古物商許可が必要かも…」と思った方。
でも、心配しすぎなくて大丈夫です。ちゃんと準備すれば、メルカリ副業は安心して続けられる立派なビジネスになります。
この章では、これから始める人も、すでに始めている人も押さえておきたい、3つの基本準備を紹介します。
✅ ① 古物商許可を取っておこう(手続きは意外とシンプル)
まずは王道ですが、「許可を取っておく」ことが一番の安心材料です。
手続きは、基本的に「営業所の所在地を管轄する警察署」で行います。
必要な書類を揃えて申請すれば、おおよそ2ヶ月で許可証が発行されます。
書類はちょっと多めですが、ポイントを押さえれば難しくありません。
「書類が苦手…」「手続きの時間がとれない…」という方は、行政書士に頼むのも手です。
当サービス「古物商許可の申請サポート」でもご対応可能ですよ!
✅ ② 自分の取り扱いジャンルをはっきりさせる
実は、ジャンルによって注意点や稼ぎ方が全然違うんです。
たとえば…
- 中古家電:動作確認や梱包が大変。でも回転が速く利益率も高め
- 古着・ブランド品:偽物リスクや真贋の見極めが必要。知識が重要
- 中古車・パーツ系:規模が大きくなりやすく、車体番号管理など細かいルールも
- ホビー・本・CDなど:軽くて出品しやすいが、単価が低め
自分がどのジャンルに強いか、どんな買い手層に届けたいかを考えることで、“副業”から“小さな事業”へステップアップする道筋も見えてきます。
✅ ③ 「環境意識」や「サステナブル」を味方にする
これは最近、特に注目されている考え方です。
メルカリのような中古品の流通って、実はとてもエコでサステナブルなんですよね。
しかも今は円安の影響もあって、中古市場がグローバルに熱い!
- 「まだ使えるモノを次の人へ」
- 「モノを大切にする循環を自分が作っている」
- 「環境にもやさしい副業です」
そんな価値観をSNSやプロフィール文で発信していくことで、信頼やファンが自然と集まってくることもあります。
許可をきちんと取っていることを「プロフィールに明記する」だけでも、購入者からの印象はかなり良くなりますよ。
🔑 副業を“安心・長く続ける”には、ちょっとした準備が大事
この3つを押さえるだけで、「グレーゾーンに足を突っ込んでるかも…」という不安から解放され、自信を持ってメルカリ副業を続けていけるようになります。
次はいよいよ最終章。
「結局、自分には古物商許可が必要なのか?」をチェックしつつ、行動に移すための一歩を一緒に確認していきましょう!
まずは「自分に古物商許可が必要か」チェックしてみよう
ここまで読んでくださった方なら、なんとなくモヤモヤしていた「古物商許可って、自分も必要なの?」という疑問が少しクリアになってきたのではないでしょうか。
改めて、ここでチェックしてみましょう。
✅ 古物商許可が【いらない】ケース
- 家の不用品を“1回だけ”売った
- 自分で使っていた物を、処分のつもりで手放した
- 利益は考えず、とにかく片づけが目的
→ この場合は、基本的に許可なしでもOKです。
⚠ 古物商許可が【必要になるかもしれない】ケース
- フリマやリサイクル店で仕入れてメルカリに出している
- 「副業アカウント」で定期的に販売している
- 収益を上げようと意識して取り組んでいる
- 商品のジャンルをしぼってビジネス化を検討している
→ この場合は、すでに営業とみなされる可能性が高いです。
💬 「グレーゾーンかも?」と思ったら…
判断がつきにくい場合は、早めに専門家に相談してみるのがおすすめです。
相談だけなら無料で受け付けている行政書士事務所も多い(ウチもそうです)ですし、
「許可を取っておいたほうが安心」と思えば、早めに動いたほうがスムーズです。
私自身も、これまでメルカリやリユース系で副業を始めた方のサポートしてきました。
「最初に話を聞いておいてよかった」と言っていただくことも多いです。
📍まず一歩踏み出すなら、この3つ!
- 自分の副業スタイルを棚卸ししてみる(どのジャンル?頻度は?利益目的?)
- 古物商許可が必要かどうか簡単にチェックする(ネット診断や相談)
- 必要なら、手続きに向けた準備を始める(書類集め or 専門家に依頼)
🎯 安心して続けたいなら、“きちんと許可”があなたの味方
メルカリ副業って、本当にいいビジネスモデルです。
在庫リスクが少なく、初期費用もほとんどかからず、しかも「モノを大切にする社会づくり」にも貢献できる。
だからこそ、法律面でも安心できる形でスタートしてほしいと思っています。
「古物商許可」なんて聞くとハードル高そうに感じるかもしれませんが、やるべきことさえわかれば、案外スムーズに取得できます。
この記事があなたにとって、「安心して続けられる副業ライフ」の第一歩となりますように。