目次
古物商許可は“誰でもすぐ取れる”わけじゃない
まず知っておきたいこと
メルカリでの販売をきっかけに、「もう少し本格的にやってみようかな」と感じる場面はよくあります。中古家電や中古車など、いわゆるリユースの需要はじわじわ広がっていて、円安の影響もあって国内での中古品ニーズは高いままです。
市川や船橋でも「副業で始めたいのですが、自宅でできるものですか？」という相談は少なくありません。
ただ、古物商許可は「申請したらすぐ取れる」ものではありません。実は、最初の関門が営業所要件なんです。申請書類だけ頑張っても、営業所が条件を満たしていなければ受理まで進まないこともあります。
「うちはワンルームだけど大丈夫？」「ゲーム機を数台売る程度でも必要？」という心配を抱える方が多いのも、ここが分かりづらいからでしょう。
まず押さえておきたいのは、古物商許可は“事業として中古品を扱う”前提の制度だということです。趣味の延長で不用品を処分するだけなら許可はいりませんが、「仕入れて販売する」または「継続的に収益を得る目的で売る」場合は許可が必要になります。
つまり、メルカリであっても品物を仕入れて販売するなら許可の対象です。
そして、ここが少し盲点なのですが、事業として取り組む以上、メルカリshopsへの登録が実質的に必須です。通常のメルカリアカウントは“個人の不用品を売る場所”として扱われているため、仕入れて販売する行為とは相性が良くありません。
メルカリshopsであれば、事業者として正式に出店でき、帳簿管理や発送のルールも明確で、古物商許可との整合性も取れます。
さらに、営業所要件は「ただの住所があれば良い」という話ではありません。
事務作業や帳簿保管ができ、商品を保管でき、かつ管理責任を果たせる場所が必要です。
市川や船橋・松戸の申請でも、レンタルオフィスやバーチャルオフィスは認められないケースが大半です。警察署は、“そこで本当に業務を行えるのか”を重視します。
たとえば、自宅で申請する場合でも、
- 物の保管が家族と完全に混ざっている
- 施錠できるスペースがない
- 住所と賃貸契約書の名義が一致していない
こういった点で、受理前に追加の確認が求められることがあります。
「え、自宅だから簡単だと思ってた…」と驚く方も多いですが、それだけ営業所の条件は大事なんです。
逆に言えば、ここをきちんと整えておけば申請はスムーズに進みます。古物商許可のハードルは営業所の段階でつまずきやすいだけで、ポイントを押さえれば初心者でも十分クリアできます。
次の章では、警察署がチェックする具体的な要点を、初めてでも迷わないように整理していきます。
営業所要件を軽く見ると申請NGにつながる
警察署が見る3つの確認ポイント
「まずは書類をそろえて、あとは出せばOKかな」と思っている方は、ここで一度立ち止まってください。
古物商許可の審査で最初に見られるのは、書類の細かい部分よりも “営業所が成り立っているか” のほうです。
市川・船橋・松戸のいずれでも、問い合わせの内容はほぼ同じで、結局この3点に集約されます。
1. 住所だけの“名ばかり営業所”は不可。実態がある場所であること
もっとも多い誤解は、「住所さえあればOKでしょ？」という考え方です。
残念ながら、これは通りません。
- バーチャルオフィス
- 住所だけ借りるタイプのシェアスペース
- 月に数回だけ使うレンタルオフィス
こうした場所はほとんどのケースで認められていません。
理由はシンプルで、「そこで本当に営業できるのか」を確認できないからです。
中古家電でも中古車でも、そしてメルカリshopsを使うEC販売でも、商品管理と帳簿管理ができる空間 が必要になります。
机も、棚も、鍵のかかる場所もないオフィスでは、警察署はOKを出しません。
身もふたもない言い方ですが、形だけの住所は避けるべきです。
2. 品物を“ちゃんと管理できる”保管場所があるか
営業所は「書類を書く場所」ではなく、「商品を管理する場所」としても重要です。
中古家電・ゲーム機などの物販なら、ダンボール数箱が置けて、他の私物と混在しないスペースが必要です。
中古車の場合はさらに注意が必要で、
- 駐車場を確保しているか
- 契約書などで使用権限を示せるか
がチェックされます。
とくに船橋や松戸では物件が密集しているため、駐車スペースが確実に押さえられているかよく確認されます。
「押し入れに適当に入れてます」は案外アウトです。
施錠できる／他の私物と区分できる、この2点は欠かせません。
3. 自宅兼用の場合は“同意”と“動線”が問題になりやすい
自宅で申請する人は多いのですが、ここには小さな落とし穴があります。
- 家族が知らないまま申請してしまう
- 物品がリビングや子ども部屋に散らかっている
- ワンルームで生活スペースと完全一体化している
こうした状況だと、警察署が「管理できる状態ではない」と判断することがあります。
自宅を使う場合は、
- 家族の同意
- 営業スペースの最低限の区分
- 鍵のかかる棚やケースの確保
がとても大切です。
ワンルームでも申請できるケースはありますが、「生活空間と完全に混ざらない工夫」を見せられるかどうかで大きく変わります。
営業所要件を満たしていれば申請は一気に進む
古物商許可の相談で、いちばん時間がかかるのは書類よりも営業所の確認です。
逆に言えば、ここをクリアしていれば全体が驚くほどスムーズになります。
次の章では、初心者でも迷わず整えられるよう、営業所要件を満たすための具体策 をわかりやすく整理していきます。
営業所要件を満たすための“整え方”
初心者でも迷わない実務ガイド
「営業所が大事なのは分かった。でも、何をどう整えればいいの？」
こう思った方のために、この章では 具体的にどう準備すれば合格ラインに届くのか をやさしく整理します。
ポイントは、
（1）場所として成立しているか
（2）設備が整っているか
（3）書類で裏付けられるか
この3つです。順番に見ていきましょう。
1. 営業所の所在地
自宅でもOK。ただし“条件つき”
古物商許可は、必ずしもオフィスを借りる必要はありません。自宅で申請する人のほうが圧倒的に多いです。
ただし、自宅ならなんでも良いわけではありません。
＜自宅でOKになるケース＞
- 賃貸契約書の名義が本人または家族
- 机・PCなど最低限の事務作業スペースがある
- 商品を他の私物と混ざらないように管理できる
- 鍵のかかる棚やケースがある
＜NGになりがちなケース＞
- 友人名義の部屋を使う
- 倉庫や物置だけを“営業所”として申請する
- 住所が一致していない
- 商品の置き場が散乱している
市川・船橋・松戸での相談でも、自宅申請は多いですが、管理状態が曖昧だと追加確認が必ず入ります。
自宅だからこそ、生活空間と分けておくひと工夫が大切です。
2. 設備要件のチェック
ここが揃っていれば安心ライン
警察署が見ているのは「業務ができる状態かどうか」。
つまり、机がなくても書き物ができないし、棚がなければ品物を管理できません。
最低限そろえておきたい設備は次のとおりです。
- 机・椅子（書類を作る環境として必要）
- PCまたはスマホ＋プリンター（帳簿作成や通知書出力のため）
- 鍵付きの棚・ケース（保管場所として最重要）
- 段ボールや収納ラック（中古家電・ゲーム機などの整理に必須）
ここは“豪華にする必要はない”ので安心してください。
要は「業務が成り立つ状態なら問題ない」ということです。
また、EC販売の方は メルカリshopsを使う前提 で設計するとスムーズです。
通常のメルカリでは事業販売が想定されていないため、帳簿管理や出品ルールとの整合性が取れなくなります。
古物商許可との相性を考えると、shopsのほうが圧倒的に適しています。
3. 警察署に提出する書類で整合性を示す
営業所要件は「口頭説明だけ」では通りません。
書類で裏付けを示す必要があります。
よく求められる書類は次の3つ
- 賃貸借契約書（物件が自宅の場合）
名義・住所・使用条件が確認されます。 - 間取り図 or 賃貸契約の図面
どこを営業スペース・保管スペースとするか分かるようにします。 - 駐車場契約書（中古車・バイクを扱う場合）
「どこに置くか」を明確に示すため、ほぼ必須です。
この3つが揃っていれば、営業所についての説明はしやすくなります。
特に、中古車を扱う場合は駐車場の使用権が最重要。
「近くの空き地に置いてます」はまず通りません。
営業所は“整えればちゃんと通る”ポイント
営業所要件は、最初は難しく感じるかもしれませんが、形ばかりのオフィスを用意する必要はありません。
家にあるもの＋少しの工夫で十分クリアできます。
机があって、棚があって、名義が一致していて、書類で証明できれば、初めての方でも申請は問題なく進みます。
次の章では、実際の申請前に準備しておくべきチェック項目を、ひとつずつ確認できる形で整理していきます。
申請前に絶対チェックしておきたい“落ちないための3つの準備”
市川・船橋の相談事例つき
「営業所を整えるポイントはわかった。でも、最終的に何を確認すれば安心して申請できるの？」
この章では、初心者でも迷わないように 申請前チェック項目を3つ にギュッとまとめて整理します。
市川・船橋で実際にあった相談の雰囲気も交えつつ、必要な部分だけをやさしく押さえていきます。
1. 動線と施錠体制
自宅でも十分通るけど“ここだけは”押さえておきたい
自宅申請の方に一番多いのが、「物の置き場がなんとなく曖昧」なケースです。
ゲーム機や中古家電、衣類などを扱うなら、動線と施錠の考え方が大切です。
チェックすべきポイント
- 商品は私物と混じっていないか
- ワンルームでも棚やボックスを“営業スペース”として区分できているか
- 鍵付きの収納があるか
- 家族が勝手に触れない状態にできているか
実際、市川の方でワンルーム申請の相談がありましたが、棚を一段だけ「古物専用スペース」にして、鍵付きボックスを置いたことで無事に受理されました。
大がかりな設備は不要で、区分が明確であれば十分通ります。
2. 品目ごとの保管計画
中古家電・中古車は“置き場所の説明”が大事
扱う品目によって、警察署が注目するポイントは変わります。
中古家電・ゲーム機の場合
- 段ボール数箱置ければOK
- ただし、生活スペースと混ざらない工夫が必要
- ケーブルや小物もまとめておくと説明しやすい
中古車・バイクの場合
- 駐車場の確保が必須
- 契約書で使用権限を示す
- 賃貸駐車場の場合、管理会社の了承が必要になることもある
船橋であった相談では、「車は知り合いの駐車場に置いてます」というケースがありましたが、契約関係が曖昧だったため、そのままでは申請が通りませんでした。
中古車を扱う場合は「どこに置くか」を書類で説明できる状態が必須です。
3. 名義・住所・書類の整合性チェック
ひとつでもズレると追加確認が入る
意外に多いのが 名義不一致の問題 です。
書類が揃っていても、名義がバラバラだと「これは本当にあなたの営業所ですか？」という確認が入り、結果的に審査が遅くなります。
よく見かける不一致パターン
- 賃貸契約の名義は父親、申請者は子ども
- 住民票の住所と実際住んでいる家の住所が違う
- 駐車場の名義が別人
- メルカリshopsの住所が古いまま
市川・松戸での申請でも、この名義ズレは非常に多いです。
とくにメルカリshopsを利用する場合、営業所住所と一致しているかも要チェック。
ショップの運営情報と古物商許可の内容がズレると、後々トラブルのもとになります。
3つ整っていれば“申請直前の不安”はほぼ解消できる
- 動線と施錠
- 品目ごとの保管計画
- 名義・住所の整合性
この3つがそろっていれば、古物商許可の営業所要件はほぼ安心です。
難しい専門知識はいりませんが、細かなところを押さえると審査がとてもスムーズになります。
次の章では、許可取得後にありがちなつまずきを避けるため、最初から設定しておくと便利な運用ポイントをまとめていきます。
許可取得後に後悔しないための“初期設定”
運用トラブルを防ぐ続け方
古物商許可は取得した瞬間がゴールではありません。
実際には、許可を取ってから「どう運用するか」で快適さも安全性も大きく変わります。
この章では、初心者の方がつまずきやすいポイントを避けつつ、最初にやっておくと後々ラクになる“初期設定”をまとめていきます。
1. 帳簿管理は最初に仕組み化しておく
紙・Excel・アプリのどれでもOK
許可を取ったあと一番多い悩みが、「帳簿をつけ忘れてしまう」 というものです。
帳簿は法律上の義務ですが、難しく考える必要はありません。
大事なのは “その場で書ける仕組み” を先に整えること。
おすすめは3つのどれか
- 紙の帳簿（ノート）
- Excel形式の管理表
- スマホアプリ（仕入れ・販売の記録が簡単）
中古家電やゲーム機など、細かい商品を扱う場合はアプリが便利です。
中古車を扱う場合は証憑が多いので、Excelのほうが向いている方もいます。
メルカリshopsで運用するなら、
「出品したらすぐ帳簿に記録する」
「発送したら収支欄を埋める」
といったルールを決めると管理が安定します。
最初に仕組みを作っておくだけで、年末に慌てることがなくなります。
2. スペース設計は“今”だけでなく“半年後”も見据える
副業で始める方の多くが、「最初はそんなに量がないから大丈夫」と考えます。
ところが、販売が軌道に乗り始めると、段ボール箱が一気に増えていくのが定番パターンです。
そこで大切なのが、今より少し余裕を持ったスペース設計です。
例えばこんなイメージ
- 棚は1段だけでなく2段を“事前確保”
- 中古家電はサイズがバラバラなので、置き場所のルールを決める
- 中古車を扱うなら駐車場も“追加できる場所”を把握しておく
- 発送用の段ボールや緩衝材も収納場所を固定する
市川でも船橋でも、始めて半年ほどで「あれ、置き場が足りない…」という相談は多いです。
少しだけ余裕を持っておくと、事業が伸びてもスムーズに対応できます。
3. 変更届と追加届は“気づいたらすぐ”
トラブル防止のコツ
古物商の運用で軽視されがちなのが、住所変更・保管場所追加などの届出 です。
届出を忘れたまま営業してしまうと、後からまとめて説明するのが面倒になったり、取引先やメルカリshops側の情報と不一致が生じたりします。
届出のタイミングはシンプルで、「変更があったら早めに」 が基本です。
よくある変更は次のとおりです。
- 引っ越し
- 駐車場の変更
- 営業所スペースの移動
- 氏名・屋号の変更
- メルカリshopsの住所変更
とくに、メルカリshopsの運営情報は古物商許可とセットで見られることが多いため、両方とも同じ住所にしておくとトラブルを避けられます。
許可取得後の“初期設定”があなたのリユース事業を守る
許可を取っただけでは運用は始まりません。
帳簿、スペース、届出、この3つを最初に整えておくだけで、トラブルなく、落ち着いて事業を進められます。
副業でメルカリshopsを使う人も、中古家電や中古車で小規模リユースを考える人も今日の準備が半年後・一年後の安定につながります。
最後に、必要に応じて行政書士に相談すれば、「申請のどこが心配か」「営業所はこの状態で良いか」など、細かな不安を事前に解消できます。