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知らないと違反になる?古物商の「標識掲示義務」とは
「古物商許可を取ったから、これで準備は完了!」
そう思って営業を始める方は多いかもしれません。
しかし実は、許可を取った後にも守らなければならないルールがいくつかあります。その中でも意外と見落とされがちなのが――「標識掲示義務」です。
標識は“古物商の顔”
古物営業法では、営業所の見やすい場所に「標識」を掲示することが義務づけられています。
この標識とは、いわば「このお店はきちんと許可を受けた古物商ですよ」という公的な看板のようなもの。
お客さんから見れば、安心して中古品を購入できる証でもあり、警察から見れば取引の適正を確認する手がかりにもなります。
逆に言えば――
許可を取っていても標識を掲げていないと、「無許可営業と区別がつかない」状態になってしまうのです。
実際、千葉県内でも市川や船橋、松戸などの地域では、生活安全課が定期的に古物商への立入確認を行っています。
このとき標識の掲示がないと、注意や指導の対象になることも。
ネット販売でも「掲示」は必要
「うちは店舗を持たず、ネット販売だけだから関係ないでしょ?」
そんな声もよくありますが、ここにも注意が必要です。
古物営業法上の“営業所”には、自宅や倉庫など実際に商品を保管・発送する場所も含まれます。
たとえ自宅が営業所でも、玄関や室内の見やすい場所に標識を掲示しておくのが原則です。
さらに、オンライン販売を行う場合には、ホームページや販売ページ上にも許可情報を明記する必要があります。
「形式だけの看板」ではない信頼の証
標識掲示は、法律で定められた義務というだけでなく、信頼を築くための第一歩です。
中古品を扱う以上、「きちんと許可を受け、適切に営業している」と示すことが、お客様の安心感につながります。
とくに最近では、リユースやサステナブルの意識が高まり、中古家電・中古車・ブランド品などの再利用ビジネスが注目されています。
そんな中で、ルールを守る姿勢は小さくても確実な差別化ポイントになります。
「標識?そんなの見たことないけど……」という方こそ、今一度、自分の営業所やサイトを見直してみてください。
次の章では、どんな内容を、どこに掲げればいいのかを、具体的に整理していきます。
どこに掲げる?標識掲示のルールを正しく理解しよう
「標識を掲げろって言われても、どこに、どんなふうに置けばいいの?」
そんな疑問を持つ方は多いでしょう。標識掲示義務は、形だけ整えておけばよいという話ではありません。
ここでは、実際の掲示場所や書き方のルールを、初心者にもわかりやすく整理します。
標識掲示の基本ルール
古物営業法施行規則では、標識は「営業所の見やすい場所」に掲示することが定められています。
つまり、店先にお客さんが来たとき、すぐに目につくように掲げておく必要があるということです。
標識には、次のような項目を記載します。
- 許可を受けた公安委員会の名称(例:千葉県公安委員会)
- 許可番号(例:第441050000000号)
- 商号または氏名(例:◯◯商店、山田太郎 など)
この3点が明記されていれば、形式としては十分です。
市販のプレートを使っても問題ありませんし、自作してもOK。
ただし、字体が小さくて読めなかったり、ホコリだらけで見えづらい状態では意味がありません。
お客さんにも警察にも見やすいよう、入口付近・受付カウンター・壁面の目線の高さなど、分かりやすい位置に掲げておくのが理想です。
自宅営業・ネット専業の場合は?
「自宅の一室でやってるから、人が来ることなんてないけど…」
そんな場合でも、営業所として届け出た場所には標識掲示が必要です。
来客がなくても、警察による確認訪問が行われることがあります。
その際に標識が見当たらないと、指導を受ける可能性もあります。
掲示場所の例としては、
- 自宅の玄関付近
- 書斎や事務スペースの壁
- 扉の内側(玄関ドアの裏など)
といった場所がよく選ばれます。
もちろん、家族のプライバシーに配慮しながら、「見やすい」範囲で工夫して掲示すれば問題ありません。
オンライン販売の場合の掲示方法
インターネットを通じて中古品を販売する場合も、標識の掲示が求められます。
物理的な標識に加えて、ウェブ上にも許可情報を明記する必要がある点が重要です。
たとえばメルカリShopsやBASEでは、ショップ情報欄に以下を記載します。
【古物商許可証番号】千葉県公安委員会 第441050000000号
たった一行でも構いませんが、これを表示しておかないと、運営側から「事業者登録の不備」として出品停止になるケースがあります。
個人出品(趣味の範囲)では不要でも、反復継続して販売する=事業としての古物営業と判断されると、許可と表示の両方が求められます。
「メルカリで副業を始めたい」「リユースビジネスに挑戦してみたい」という方は、
まずメルカリShopsに登録しておくことが必須条件と覚えておきましょう。
標識の書式やデザインは自由
最後に少し余談ですが、標識のデザイン自体は法律で細かく決まっていません。
「木製プレートに彫刻」「アクリル板に印字」「紙をラミネート」など、どの形式でもOK。
要は、読めること・常時見えること・内容が正しいことの3点を守ればよいのです。
「うちはオンラインだけだから」「誰も見に来ないから」――
そう思って油断していると、思わぬトラブルになることも。
次の章では、標識を掲げなかった場合にどんなリスクがあるのか、実例を交えて解説します。
第3章 標識を掲げないとどうなる?意外と知らないリスク
「標識くらい、あとで貼ればいいか」
そんな軽い気持ちで後回しにしてしまう人も少なくありません。
しかし、古物営業法上の“標識掲示義務”は、れっきとした法的義務です。
ここを怠ると、思わぬトラブルや信頼失墜につながることがあります。
掲示していないと「無許可営業」とみなされることも
警察が古物商を監督する目的の一つは、盗品の流通を防ぐこと。
そのため、営業所やネットショップを確認したとき、標識が掲げられていなければ「本当に許可を取っているのか?」と疑われてしまいます。
実際には許可済みでも、無許可営業と区別がつかない状態になるのです。
たとえば千葉県内の市川や松戸でも、生活安全課が立入確認を行うケースがあります。
その際に標識がない、または内容が古い(住所変更前のままなど)と、改善指導の対象になります。
悪質な場合や再三の注意にも従わない場合には、営業停止命令や許可取消しの可能性もゼロではありません。
「知らなかった」では済まない行政のチェック
古物商の業務は、取引履歴の記録や本人確認など、警察による監督のもとに成り立っています。
そのため、行政側が「標識の掲示状況」を確認するのは当然のこと。
実際に、店舗型のリユースショップではもちろん、ネット販売専業者でも「標識は掲示していますか?」と確認されることがあります。
「ネットでしか販売していないので貼っていません」と答えると、
「ホームページや販売ページに許可番号を表示していればOKですが、物理的な営業所にも掲示が必要です」と指導されるのが一般的です。
つまり、オンライン販売でも標識掲示は例外にならないということです。
信頼を失うのは一瞬。取引相手にも影響が出る
標識の掲示は、法律上の義務であると同時に、信頼を得るための最低限のマナーでもあります。
とくに中古車・中古家電・ブランド品などを扱う場合、買い手にとって「許可を受けた古物商かどうか」は安心材料のひとつ。
もし標識がなく、取引相手に不信感を抱かせてしまうと、キャンセルや通報につながることもあり得ます。
最近では、環境意識の高まりや円安の影響もあって、国内のリユース市場はますます活発になっています。
サステナブルな時代だからこそ、ルールを守り、信頼される事業者としての姿勢を見せることが大切です。
「標識なんて形だけ」と思っていた人も、ここまで読めば少し意識が変わったはず。
次の章では、実際にどうすればきちんと掲示できるのかを、チェックリスト形式で整理していきましょう。
第4章 これで安心!標識掲示チェックリスト
「標識の重要性は分かったけど、具体的にどうすればいいの?」
そんな方のために、ここでは今日からできるチェックリスト形式で、掲示に関するポイントを整理していきます。
一つずつ確認していけば、もう“うっかり違反”の心配はありません。
営業所で確認すべきポイント
① 標識は入口または受付近くに掲げているか?
営業所に人が訪れたとき、一目でわかる場所にあることが大切です。
たとえば入口のドア横、カウンター背面、壁面の目線の高さなど。
屋内であっても、来訪者が「ここが許可を受けた事業者だ」と認識できるようにしておきましょう。
② 標識の内容は最新か?
・住所や商号、代表者名を変更したのに、標識が古いままになっていませんか?
・古くなって文字がかすれていませんか?
これらも立派な不備です。変更届を提出したら、標識の表記も必ず更新しましょう。
③ 標識は常に見える状態か?
棚の後ろに隠れていたり、掲示物の下敷きになっていたりしていませんか?
「貼ってあるけど見えない」は掲示義務を果たしたことになりません。
営業所の模様替えやレイアウト変更の際にも、標識の位置を再確認しておくと安心です。
ネット販売で確認すべきポイント
① ホームページ・ECサイトに許可情報を明記しているか?
自社サイトやBASE・STORESなどの販売ページには、許可番号と公安委員会名を記載する必要があります。
例…
【古物商許可証番号】千葉県公安委員会 第441050000000号
この一文があるだけで、信頼性がぐっと上がります。
特に最近では、ネット上の「無許可販売」への取り締まりも強化されています。
② メルカリでの販売は「メルカリShops」を利用しているか?
個人アカウントで中古品を継続的に販売するのは、実質的に事業とみなされる場合があります。
メルカリで古物を扱うなら、必ず「メルカリShops」に登録しておくこと。
ショップ情報欄に許可番号を表示することで、法令にもメルカリの運営規約にも適合します。
③ SNS経由で販売している場合は?
InstagramやX(旧Twitter)から販売ページへ誘導する場合、
プロフィール欄やリンク先に許可番号を記載しておくのが望ましいです。
「許可を受けて営業している」という一文があるだけでも、取引相手の安心感は大きく変わります。
標識を整えることは、信頼を整えること
標識掲示は、派手な宣伝よりもずっと堅実な信用づくりです。
きちんと掲げられているか確認するだけで、警察の立入時もスムーズですし、顧客からの印象も良くなります。
特に市川や船橋のように地域密着で活動する事業者にとって、
「細部まで整っているか」は大きな信頼要素となります。
次の章では、こうした地道な取り組みがどんなメリットにつながるのか、
そして“信頼を育てる古物商”になるための心構えをまとめます。
小さな標識が信頼をつくる。いま一度、掲示を見直そう
標識掲示――それは単なる「形式的な義務」ではありません。
むしろ、あなたのビジネスを支える信頼の“入り口”です。
許可を取るまでの努力を形にし、お客様にも社会にも「安心して取引できる古物商です」と伝えるための大切なサインといえます。
標識を整えることは、事業の“身だしなみ”
どんなに素敵な商品を並べても、店頭やサイトに許可情報がなければ「なんとなく不安…」と思われてしまうのが人の心理です。
逆に、標識がしっかり掲げられていれば、それだけで誠実な印象を与えられます。
中古品の世界では「信頼感=取引のしやすさ」。
小さなプレート1枚が、リピート客や口コミの広がりに直結することもあります。
法令遵守はリユース時代の基本姿勢
サステナブルやリユースの意識が高まる今、古物商の役割はますます重要になっています。
中古家電や中古車、ブランド品などを扱うことで、資源を循環させ、環境負荷を減らす。
そんな社会的価値のある事業だからこそ、ルールを守る姿勢そのものが評価される時代です。
円安の影響で国内取引が増える中でも、誠実な運営を続けることが、長期的な信頼を育てます。
一度立ち止まり、確認してみよう
「許可番号、正しく表示してるかな?」
「住所や氏名、変更になっていないかな?」
そんな小さな見直しをするだけで、あなたの事業はより安心・安全に進められます。
もし標識が破損していたり、変更届を出したあと放置していたりする場合は、速やかに対応してください。
メルカリShopsで販売している方も、ショップ情報欄を一度チェックしてみましょう。
行政書士としてお伝えしたいこと
許可の申請・変更、そして標識掲示の整備まで――。
古物商の運営は、一度許可を取って終わりではなく、継続的な管理が必要です。
「これで合ってるのか不安」「申請内容を変えたい」と感じたら、早めに専門家へ相談を。
手続きを整えることは、結果的に事業の信頼を守ることにつながります。
標識掲示は、法律の“義務”であると同時に、あなたの誠実さを伝えるメッセージボードです。
今日から少しだけ、掲示場所や記載内容を見直してみましょう。
その一手間が、きっとあなたの古物商ビジネスをより強く、信頼されるものにしてくれます。

