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「ネットで中古品を売るだけ」でも届出が必要になるって本当?
メルカリやフリマアプリで不用品を売った経験がある人は多いと思います。
「ちょっと使わなくなった家電を出品した」「古着をまとめて売った」──このくらいなら、もちろん誰でも気軽にできます。
ところが、これを継続的に販売するビジネスに変えたいと考えた瞬間、法律上のルールが関係してきます。
その一つが「古物営業法に基づくURL届出制度」です。
たとえば、中古家電や中古車、古着などをメルカリshopsや自分のネットショップで売る場合、古物商許可の取得が基本になります。
しかも、許可だけでは終わりません。ネット上で販売するなら、販売先のURLを管轄の公安委員会に届け出る必要があるんです。
ネット販売=誰でも自由、ではない
「メルカリでちょっと稼ぐくらいなら、届出なんていらないでしょ?」と思う方も少なくありません。
でも実は、販売の“回数”や“金額”が問題ではなく、営利目的で中古品を反復継続して販売するかどうかがポイントになります。
この条件に当てはまると、古物商許可を取ることが求められ、さらにURL届出も必要になります。
特にメルカリshopsを利用する場合、プラットフォーム自体が「古物商許可証の提示」や「届出済みのURLの登録」を求める仕組みを採用しており、事業として取り組むなら避けて通れません。
「とりあえず始める」と後で困ることも
届出をせずに販売を続けると、思わぬ場面で壁にぶつかることがあります。
「ショップ開設の審査で止まってしまった」「警察から確認の連絡がきた」「アカウントが停止された」──そんなトラブルは決して珍しくありません。
後から慌てて手続きをするより、始める前に必要なルールを理解しておくことが、安心して続けるコツです。
特に、千葉県のように地域ごとに届出の受付方法が違うケースもあるので注意が必要です(市川・船橋・松戸では事前予約が必要な場合もあります)。
はじめの一歩は「許可」と「URL届出」のセット
ネットで中古品販売を始めるときは、
- 古物商許可を取る
- ネット販売のURLを届出する
この二つが基本になります。
特別なことをするわけではなく、正しく手続きを踏めば誰でも事業としてスタートできます。
次の章では、この「URL届出制度」がそもそもどういう仕組みなのか、もう少し丁寧に解説していきます。
URL届出制度とは?──ネット販売に必須のルールをわかりやすく解説
「URL届出って、いったい何をすることなの?」
はじめて聞くとちょっと難しそうに感じますよね。でも、内容はとてもシンプルです。
中古品のネット販売をする人が、自分の販売先URL(ネットショップやメルカリshopsなど)を公安委員会に届け出る制度のことです。
つまり、古物商許可を取った人が「このURLで中古品を販売しますよ」と、警察に知らせるイメージです。
なぜURL届出が必要になったのか
この制度ができた背景には、ネット上で中古品の売買が広がったことがあります。
たとえば、
・メルカリで中古家電を定期的に販売
・中古車の在庫情報をECサイトに掲載
・自社のネットショップで古着を販売
こうしたケースでは、買う側の安心感を高め、悪質な取引を防ぐために「販売先を明確にする仕組み」が必要になりました。
警察側も、届出されたURLを把握しておくことで、不正取引の追跡やトラブル防止に活用できるわけです。
届出の対象になる販売形態
「自分も届出が必要なのかな?」と迷ったときは、販売形態をチェックしてみましょう。
以下のようなケースは、基本的にURL届出の対象です。
- メルカリshopsで中古品を販売
- BASEやSTORESなどのネットショップを利用
- 自社ECサイトでリユース品を扱う
- オークションサイトで定期的に販売
「ちょっとした副業だから」「数が少ないから」という理由では免除されません。
営利目的で継続的に販売するかどうかがポイントになります。
タイミングも大事
URL届出は、古物商許可を取ったあとに行うのが基本です。
つまり、「許可→URL届出→販売開始」という流れになります。
メルカリshopsの場合は、届出を済ませていないとショップの登録自体が進まないこともあるため、タイミングを間違えないように注意しましょう。
難しい制度ではなく、信頼を示す仕組み
URL届出というと「面倒そう」と感じる方も多いのですが、実はとても簡単な手続きです。
提出する書類も多くはなく、早ければその日のうちに受理されるケースもあります。
ネット販売は、顔の見えない取引だからこそ「信頼の土台」が大切になります。
きちんと届出をしておくことは、買い手への安心感にもつながる重要なステップなんです。
届出を怠るとどうなる?──罰則・指導・アカウント停止リスク
「ちょっとした副業だから大丈夫」
「届出って、別に後でもいいんじゃないの?」
ネット販売を始めるとき、こんなふうに考える方は少なくありません。
でも、この「なんとなく」の判断があとで大きなトラブルにつながることもあるのです。
URL届出は“任意”ではなく、法律上の義務。
届出を怠ったまま販売を続けると、行政からの指導対象になることがあります。
行政指導や改善命令の可能性
公安委員会(警察)は、古物営業を行う事業者を把握しています。
そのため、届出をしていないのにネット上で販売を続けていると、指導や改善命令の対象になることがあります。
「販売のURLを届出してください」といった軽い注意で済む場合もありますが、繰り返したり放置したりすると、より厳しい対応になることもあります。
メルカリなどのプラットフォームでアカウント停止も
最近では、メルカリshopsやBASE、STORESといったネットショップサービス側でも、古物商許可証やURL届出済みであることの確認を求めるケースが増えています。
たとえば、
- 出店申請時に許可証の番号が必要
- 届出の有無を確認される
- 届出がないと審査が通らない
といったことが起きています。
届出を怠ったまま販売を続けると、アカウント停止や出店拒否といったリスクも現実にあります。
許可取消しにつながることも
さらに注意が必要なのが、古物商許可の取消しです。
軽視して放置を続けると、営業停止や取消しの対象になることもあります。
「後でまとめてやればいい」と思っているうちに、販売実績だけが積み上がってしまい、あとから説明や修正に追われるケースも珍しくありません。
届出は早めに済ませておくのが一番安全です。
ちゃんと届出しておくとトラブルを防げる
一方で、最初にしっかり届出をしておけば、行政からの問い合わせやトラブルのリスクはぐっと下がります。
「ちゃんと届出している」という姿勢は、取引相手に対しても信頼につながります。
副業でも、事業でも、ネット販売で中古品を扱うなら、届出は“抜け落としてはいけない基本”と考えておくと安心です。
URL届出の手続き方法──実際の流れと注意点
「届出が必要なのは分かったけど、どうやってやればいいの?」
ここからは、実際の手続きの流れをできるだけシンプルに説明していきます。
難しそうに聞こえますが、やることは大きく分けて3ステップ。
①販売URLを決める → ②届出書を作成する → ③管轄警察署に提出する
この流れを押さえれば、余計な回り道をせずに済みます。
ステップ①どのURLで販売するかを明確にする
まず、どこで販売するのかをはっきりさせます。
たとえば、
- メルカリshops
- BASEやSTORESなどのネットショップ
- 自社のECサイト
このURLが届出の対象になります。
「とりあえず始めてから考えよう」ではなく、販売の場を決めてから届出することが大事です。
メルカリshopsの場合は、登録の時点で許可証とURL届出が求められるため、ここを早めに固めておくとスムーズです。
ステップ②届出書を作成する
URL届出は、古物商許可の管轄警察署に提出します。
使用するのは「古物商営業届出書(URL用)」という書類で、
- 氏名または法人名
- 許可番号
- 届出するURL
- 取り扱う古物の種類
などを記入します。
書式は都道府県によって多少違いがありますが、千葉県の場合はシンプルな様式です。必要な部分を記入するだけで完了します。
ステップ③管轄の警察署に提出する
届出先は、古物商許可を受けたときと同じ警察署(生活安全課)です。
千葉県内では、2025年9月1日から電話による事前予約が必須になりました。
このため、直接窓口へ行くのではなく、まず警察署へ電話して日時を予約する必要があります。
受付時間は平日の日中のみというケースが多く、時間に余裕を持って予定を立てましょう。
持ち物としては、許可証・届出書・印鑑(認印でOK)などが基本です。
よくあるつまずきポイント
届出でよくあるのが、
- URLが途中で変わっていた
- 販売先を増やしたのに届出を忘れていた
- メルカリshopsの登録を後回しにしてしまった
といったパターンです。
販売URLを追加・変更する場合も、そのたびに届出が必要になります。
「一度やったら終わり」ではなく、販売形態が変わるたびに更新するイメージを持っておくと安心です。
きちんと手続きを踏めばむずかしくない
URL届出は、慣れないうちは少し緊張するかもしれませんが、実際の手続き自体はとてもシンプルです。
警察署の担当部署も、淡々と対応してくれることがほとんど。
あらかじめURLと販売方法を整理しておけば、10〜15分程度で終わるケースもあります。
副業として始める方でも、しっかり届出をしておくことで、余計なトラブルを防ぐことができます。
副業でも「きちんと届出」が信頼につながる──はじめる前の3つのチェックポイント
中古品をネットで販売することは、いまや誰でも気軽にできる時代になりました。
円安の影響で国内需要が増え、サステナブルな暮らしへの関心も高まる中、「リユースビジネス」はますます注目されています。
ただ、法的なルールを知らずに始めてしまうと、「古物商許可が必要だった」「URL届出を忘れていた」といった壁にぶつかることも。
最後の章では、安心してスタートするために、始める前に確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
チェック①古物商許可とURL届出をセットで準備する
中古品を販売するなら、まずはこの2つが基本です。
- 古物商許可の取得
- ネット販売URLの届出
どちらか片方だけでは不十分で、セットで行うことで初めて合法的に販売できるという点を覚えておきましょう。
特にメルカリshopsを使う場合、URL届出が済んでいないとショップの登録自体が進まないこともあります。
チェック②取扱品目と販売方法を整理する
「中古家電だけを扱うのか」「衣類やブランド品も取り扱うのか」など、販売するジャンルによって届出内容や許可の申請区分が異なります。
また、メルカリshops・BASE・自社サイトなど、どのプラットフォームで販売するかによっても必要な準備が変わります。
事前に販売計画を整理しておくことが、スムーズな申請・届出につながります。
チェック③信頼を積み重ねるための「表示」と「記録」
ネット販売では、顔の見えない相手との取引が中心になります。
だからこそ、正しい情報を表示し、取引履歴をきちんと残すことが大切です。
・古物商許可番号や届出URLをショップページに明示する
・領収書や販売記録を一定期間保存する
・不明点があればすぐに警察や専門家に確認する
これらの小さな積み重ねが、結果的に信頼を生み、トラブルを防ぐ最良の方法になります。
小さな副業こそ「安心第一」で
副業として始める場合、「少し面倒だな」と感じる手続きもあるかもしれません。
でも、きちんと届出をしておけば、警察やプラットフォーム側から信頼され、安心して長く続けられる環境を作ることができます。
特に千葉県では、2025年9月以降、電話による事前予約が必須になるため、早めに準備しておくと安心です。
一度手続きを済ませてしまえば、その後は安定したリユースビジネスを展開できます。
行政書士への相談も選択肢のひとつ
「書き方が分からない」「どこに提出すればいいのか不安」という方は、行政書士に相談してみるのも良い方法です。
許可申請から届出、記載内容の確認まで、一括でサポートしてもらえるケースもあります。
法律を味方につけて、安心・安全なネット販売をスタートさせましょう。
🟢 まとめ
古物商許可とURL届出は、ネット販売の信頼を支える“二本柱”です。
手続きを面倒と思わず、未来への投資と考えて早めに動くことが、結果的にビジネスを安定させる一番の近道になります。

